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屋根塗装の耐用年数は? コストとのバランスで塗装時期と塗料を決める
最終更新2024年1月9日
屋根塗装の耐用年数、実は外壁よりも短いことをご存知でしょうか?
屋根塗装は外壁塗装に比べて、約1.5倍早く劣化するともいわれています。
「どんな塗料で屋根塗装をすれば良いか悩んでいる」
「いつ屋根塗装をするべきか迷っている」
「お得に高品質な塗装をしたい」
このような方に、屋根塗装の塗料の種類や耐用年数をご紹介。耐久性とコストに優れた効率の良い屋根塗装を行うポイントも一緒にお伝えいたします。
外壁塗装より屋根塗装の方が耐用年数が短いのは、屋根が外壁よりも多く紫外線や雨風にさらされるからです。夏の強い日差し、集中豪雨や台風、屋根は常に外壁よりも強くダメージを受けていますよね。その積み重ねによる経年劣化で、単純に屋根塗装は10年周期とはいえない部分もあるのです。
例えば、外壁に使用している耐用年数10年の塗料を屋根に使ったとすれば、おそらく6〜8年しかもたないでしょう。もちろん地域や環境によっても多少の違いはありますが、外壁塗装より屋根塗装の方が劣化が早いと言われるのにはこうした理由があるのです。
塗料の耐用年数とは
耐用年数の定義
そもそも耐用年数とは正しくは何なのか再確認しておきましょう。
耐用年数とは、屋根外壁塗装における塗料の機能や効果が十分に発揮できる目安の期間を指します。例えば、耐用年数10年という塗料の場合「耐久性や防水性などを10年は維持することができます」と塗料メーカーがあらゆる試験結果から仕様として公表していることになるのです。(公表していない場合もあります。)
耐用年数とは、屋根外壁塗装における塗料の機能や効果が十分に発揮できる目安の期間を指します。例えば、耐用年数10年という塗料の場合「耐久性や防水性などを10年は維持することができます」と塗料メーカーがあらゆる試験結果から仕様として公表していることになるのです。(公表していない場合もあります。)
では塗料メーカーはどのような試験を行っているのでしょうか。
まず、耐用年数の基準となる塗料の「耐候性」が重要なポイントになります。
ほとんどの塗料が耐候性を一つの根拠として「促進耐候性試験結果」を商品のカタログや資料に掲載しています。その試験結果に基づいた「期待耐用年数」を明示し、どのくらいもつものなのかを示しているのです。促進耐候性試験は、塗料メーカーによって試験方法や基準は異なり、それぞれが独自の見解で行っています。
耐用年数の基準となる耐候性を日本産業規格(JIS規格)では次のように定義付けしています。
「耐候性とは材料を紫外線、風、雨などの屋外条件下で、暴露した場合の耐久性のこと(JIS K 6900)」
要するに、屋根外壁塗料は「耐候性」を耐久性の指標としています。そのため、紫外線、気温、湿度、降雨などを人工的に再現して、製品や材料の耐用年数をある程度予測できるようにした試験が「促進耐候性試験」なのです。
促進耐候性試験には屋外暴露試験という方法もあり、実際に自然環境下にさらして状態の変化を確認するものです。
日本は北海道から沖縄まで、様々な気候の条件があり地域によって異なります。日本の標準的な気候として試験が行われている千葉県銚子市、高日射で高温多湿、塩害などもある沖縄県宮古島、低温で積雪のある北海道旭川市などで、暴露試験は行われているのです。
その他、様々な試験機によって試験が行われ、標準的な試験方法のサンシャインウェザーメーター(SWOM)、自然光に最も近い光源の試験機であるキセノンランプ(XWOM)、無機塗料など高耐候塗料の促進試験に適しているメタルハライドランプ(スーパーUV、SUV)などがあります。
建築に使われている塗料は、このような方法や試験機によって耐用年数を計算しているわけです。
塗料の種類と耐用年数
塗料というのは、原料として使用している樹脂の違いで機能や効果、耐用年数が変動します。主な塗料の種類と特徴や耐用年数を見ていきましょう。
塗料の種類と一般的な耐用年数
以上のように、一般的によく使用される塗料の耐用年数と特徴が分かりましたね。
耐用年数に幅があるのは、地域性や環境によって様々な条件が異なるからです。
また、屋根塗装の場合はこれよりも耐用年数が短くなると考えてください。例えば表にある「フッ素系塗料」を外壁と屋根と両方に使用したとして、同じ環境下で外壁は15年維持できても屋根では10年程度しか維持できないと考えておいた方が良いでしょう。それほど屋根は、ダメージを受けやすく経年劣化が早く進んでしまうのです。
そして、この中で最も一般的で多く採用されている塗料は、人気のあるシリコン系塗料です。その理由としては、そこそこの耐用年数がありコスト的に高くもなく安くもないという中間的な程よいグレードだからでしょう。
また最近ではラジカル制御型塗料という耐候性の高いタイプの塗料も注目されています。ラジカル制御型塗料とは、ラジカル制御型の酸化チタンを使用した塗料のことです。ラジカルとは、その酸化チタンに太陽光の紫外線が当たることで発生するエネルギーのことで、発生したラジカルは塗料の樹脂や有機顔料にダメージを与え塗装の劣化を促進させます。
つまり、劣化を進めるラジカルを制御して、劣化を遅らせることができる塗料というわけです。
ラジカル制御型塗料には、アクリル系やシリコン系、フッ素系塗料の製品もあります。同じシリコン系塗料でもラジカル制御型であれば、耐用年数も通常のシリコン系塗料よりも3年程度寿命が長くなります。多少価格は高くなりますが、価格と耐用年数のバランスを考えると、一般的によく使用されているシリコン系塗料よりもラジカル制御型の方がおすすめです。
屋根塗装についていろいろと解説してきましたが、結局どの塗料を選べばいいのか、そのポイントを見ていきましょう。
コストパフォーマンスを考える
塗装工事の考え方として☑ コストが安い塗料を選択して耐用年数が短い方が良いのか
☑ コストが高くても耐用年数が長い塗料を選択する方が良いのか
非常に悩むところですよね。ご予算もあるので工事費用は少しでも安くしたいというのが本音だと思います。
まず、あと何年その家を維持していかなければならないのかが、一つのポイントになります。
例えば、あと10年維持できれば良いのであれば、塗料の耐用年数は10年の塗料を選べば良いでしょう。しかし、あと何十年も維持していかなければならないのであれば、できるだけ耐用年数の長い塗料を選ばなければなりません。一般的に考えて売却の予定がなければ、その家に住み続けるのが普通の考え方で、塗装のメンテナンスはこれからもずっと必要になってきます。
そう考えると、メンテナンスの回数を少しでも減らす方法を考えることが効率的です。
一度の塗装工事にかかる費用は、何十万かあるいは百万円以上の費用がかかる場合もあります。
足場の設置費用も養生費用など、工事の回数が増えれば増えるほど必要になってきます。結果的には、できるだけ耐用年数が長い塗料を選択してメンテナンスサイクルを長くする方が、一回のコストが高くなっても長い目で見ればお得になるということです。
何度も屋根塗装工事を繰り返していると、足場代などが重複してトータルコストは結局高くなってしまいます。
外壁塗装とタイミングを合わせる
そして、もう一つ重要な屋根塗装のポイントは、外壁塗装とメンテナンスのタイミングを合わせることです。足場設置費用や養生費用など外壁塗装にも屋根塗装と同じように必要な費用です。屋根と外壁塗装を一度に済ますことでその費用を節約できます。さらに塗装工事に伴う手間や不便さなども一度で済めばストレス軽減です。
そのためには、屋根塗装に使用する塗料と外壁塗装に使用する塗料の耐用年数を同じサイクルにしなくてはいけません。ここで、この記事の冒頭でも解説しました「屋根塗装は外壁塗装より耐用年数は短い」というお話を思い出してください。屋根に使用する塗料は外壁に使用する塗料より、少しグレードの高い塗料を選択する必要があります。屋根塗装と外壁塗装の劣化するタイミングを合わせるのです。
そうすることで、足場費用の節約など効率よくメンテナンスサイクルも回り、計画的に費用の積み立てもできるのではないでしょうか。
<ただし、建材や下地の耐用年数も考慮に入れて>屋根材や下地に使われている防水紙(ルーフィング)、外壁材にも耐用年数があります。
例えば、既に新築から20年以上経っている屋根に、耐用年数の長い塗料を使って塗装したとしても、先に屋根材や防水紙がダメになって雨漏りを招いてしまうかもしれないのです。外壁材も同様です。
街の外壁塗装やさんでは、むやみに対応年数が長く高価な塗料をおすすめするわけではなく、現在の状態を確認したうえでリフォーム計画をご提案いたします。
屋根・外壁塗装施工例
築12年、屋根と外壁を日本ペイントの塗料で塗り替え
施工内容 | 屋根塗装・外壁塗装・シーリング打ち換え |
施工日数 | 約14日間 |
費 用 | 約145万円 |
保証年数 | 7年 |
・屋根塗装…日本ペイント「ファインパーフェクトベスト」 ・外壁塗装…日本ペイント「パーフェクトトップ」 |
築12年で初めての外装塗装、外壁目地のシーリングの傷みが気になってのお問合せでした。屋根・外壁ともに塗り替えということでどんな色にするか悩まれたようですがカラーシミュレーションにてご提案させていただき、外壁はツートーンで、屋根はマルーンという赤みがかった茶色に決定しました。
外壁に使用したのは国内大手塗料メーカーである日本ペイントの標準的な塗料である「パーフェクトトップ」。リーズナブルでありながらラジカル制御型の高性能な塗料です。水性でにおいも少なく施工できます。
一方、屋根には同じく日本ペイントの屋根用塗料「ファインパーフェクトベスト」を採用しました。「パーフェクトトップ」に比べ3~4割程価格が上がりますが、UVや熱に強く、硬化剤を混ぜて使う2液型なのでより強い塗膜を作ることができます。
きれいになっただけでなくこれまでよりも明るい色をお選びいただいたことで印象も変わりお喜びいただけました。
うちもそろそろ屋根塗装の時期だろうか?10年前に塗り替えたけれどまた再塗装したほうが良い?屋根塗装をいつするべきかということも悩みのひとつですね。それでは、屋根にどのような症状が見られたら塗り替えを検討すれば良いのか見ていきましょう。
色あせ(劣化レベル★☆☆)
屋根の色あせは、塗膜の劣化が始まってきたサインです。すぐに塗装工事を行わないといけないわけではありませんが、このまま放置しておくと劣化がどんどん進み、塗膜の効果が低下して防水機能が弱くなっていきます。屋根の様子に注意しながら塗装を検討しましょう。
剥がれ(劣化レベル★★☆)
塗膜の剥がれは、前回の屋根塗装の際に施された下地処理が原因のことが多いです。
塗膜が剥がれて地の色が見えてしまっているようなら、そこには直接雨が当たってしまうことになり劣化が進んでしまいます。金属屋根の場合は錆の原因にもなるので、早めに専門業者に相談しましょう。
汚れやコケ・カビ(劣化レベル★★☆)
塗膜の劣化によって防水機能が低下した屋根材は、水はけが悪くなり汚れが目立ち、特にスレートやセメント瓦などではコケやカビが発生しやすい状況になります。コケが繁殖してしまうと屋根材の劣化を早めてしまい、常に湿気の多いジメジメした状況が続きます。コケやカビは屋根材に悪い影響を与えるため早めに塗装メンテナンスが必要です。
錆(劣化レベル★★☆)
金属屋根の場合は、塗装が劣化してくると錆が浮いてくることがあります。耐久性の高い金属屋根でも、塗装が劣化しメッキが腐食し始めると鉄の部分から錆が発生してくるのです。棟板金や水切り板金の錆も同様です。錆の広がりが軽度なうちに塗装をした方が良いでしょう。
ヒビや割れ(劣化レベル★★★)
塗膜が劣化しコケが付着したままにしておくと、屋根材に水分が浸透します。スレートやセメント瓦などの場合、屋根材が水分を吸収したり乾燥したりを繰り返すことで変形を起こし、亀裂が入り割れてしまうことにつながります。
軽度のひび割れであれば補修した上での塗装が可能です。早めにご検討ください。ヒビや割れ症状が著しい場合には塗装ができないこともあります。
変形や反り(劣化レベル★★★)
ヒビや割れと同様に、変形や反りも塗装の劣化による屋根材の吸水と乾燥の繰り返しで起こります。塗装がしっかりと屋根材を保護していなければ変形したり屋根材が反ったりしてしまいます。こちらも軽いうちなら塗装で防水性を取り戻させることで劣化を抑えられます。
<塗装が必要な屋根材>屋根塗装によるメンテナンスが必要な主な屋根材
☑ 化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)
☑ 金属
☑ セメント瓦、モニエル(コンクリート)瓦
これらは元々が塗装を施され出荷される屋根材で、経年で塗膜が劣化すれば塗り替えが必要になります。我が家の屋根材は何?塗装は必要?という場合にも点検をお申し付けください。
塗料や塗装時期についてご説明したところで、いよいよ塗装工事となるわけですが、ここで重要なのが塗装工事会社選びです。「業者選びで塗装工事の成功がほぼ決まる」とも言われるくらいです。
なぜなら、塗装職人の腕次第で塗装の質が大きく変わってしまうからです。
場合によっては想定する塗料の耐用年数より何年も早く剥がれたり色褪せたりしてしまうこともあり得ます。実は塗装業者の中でも屋根塗装の経験が少ないという業者もありますから、以下のポイントを確認して見極めましょう。
相見積もりをする
相見積もりとは、複数の業者に見積もりを取って比べることです。金額を比べるために行う印象があるかもしれませんが、相見積もりをするメリットはそれだけではありません。同じく塗装業者でも、得意とする工事ジャンルやよく使用する塗料の種類というものがあります。
「このくらいの耐用年数がある塗料を使ってほしい。」
「屋根塗装をできる限り長くもたせたい。」
このように希望を伝えても出てくる提案は各社違うはずです。
希望する工事と同様の実績が多い業者を選ぶ
多くの塗装業者はホームページを持っています。検索して、「施工事例」などを確認してみましょう。ご自宅と同じ種類の屋根塗装、希望する塗料と同じものを使っての実績が多い業者であれば、ノウハウを持っているため安心と言えるでしょう。
築年数が経てば屋根や外壁のメンテナンスはいずれ行わなければいけません。劣化症状をそのままにしておくと自然災害などで突然の被害に遭い、修理のため予期せぬ出費が必要になってしまうかもしれません。塗装に限らず、屋根や外壁のメンテナンスは計画的に行いましょう。
突発的な出費を抑え、工事はまとめて足場代を節約することを考えると、屋根と外壁、それぞれ塗料の耐用年数、また建材の耐用年数、そしてその家を何年維持していきたいかを検討したうえで必要な時期に必要なメンテナンスを行なうのが一番お得と言えるでしょう。
街の外壁塗装やさんでは、点検とお見積もりは無料で行なっております。屋根や外壁の塗装・メンテナンスでお悩みであればまずはお問い合わせください。建物の状態を確認しご要望に合わせご提案させていただきます。
屋根塗装の耐用年数は?
コストとのバランスで塗装時期と塗料を決める まとめ
コストとのバランスで塗装時期と塗料を決める まとめ
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屋根は外壁に比べて紫外線や雨などの影響を強く受けるため、屋根塗装の耐用年数は外壁よりも短くなりがちです
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耐用年数とは塗料の効果や機能を十分に発揮できる期間の目安です
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耐用年数は塗料メーカーの促進耐候性試験などによって決められます
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この先何年お住まいになるかを考え屋根塗料をえらびましょう
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外壁塗装のタイミングと合うように屋根塗装の塗料を選ぶのも効率的です
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屋根に塗膜の剥がれ、汚れや錆、ひび割れなどが見られるようになったら塗装を検討しましょう
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化粧スレート、金属、セメント瓦・モニエル瓦は塗装によるメンテナンスで長持ちさせましょう
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塗料の耐用年数は塗装職人の腕にも左右されます。業者選びも大切です
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